8. ほんとうの「私」のみつけかた 
   スティーブン・ファーマー著 / 白根伊登恵訳 (ヘルスワーク協会) 

 まさに、たった今から何をすればいいのか・・・が解る本です。
これを教科書のようにして、「私」をみつけるHow toを実践していきました。
人間不信、感情の回避(こんなふうに感じてはいけないという思い)、自尊心の低さ、無力感(自分には何も出来ないという思い)、対人関係の困難。
完璧主義(完璧にやるか、やらないか→白黒主義にも繋がる)、世話焼き、透明人間(目立つ事への恐怖)、反逆(憎悪)、コントロール(何でもないふり)、責任過剰(すべて私が悪いという思いこみ)、危機への嗜癖(安定した状態を自ら破壊する)、正常さの模索(いつも普通をさがす)、白黒思考(All or Nothing)。
これらのほとんどすべてが、私には思い当たるものばかりです。
こういった『神話』にがんじがらめになっていた今までのやり方は、上手く行くはずが無かったのです。
まず、@内なる子供を癒すプログラムから、A成長しなおす、B統合、C繰り返しを絶つ、というふうに進んでいきます。
もう一度子ども時代をやり直すということです。
機能不全家族というのは、「親が親の役割を果たしていなかったために、子どもが子どもでいられなかった家族」のことですから。
@子供を癒す・・・物事を感じる当たり前の感覚をもう一度取り戻すことから始め、失ってきたものを嘆き、悲しみを解き放ち、自分を解放し、そして最後に親を許します。
A成長しなおす・・・行動のしかたを学び、遊び方を覚え、ノーという練習をし、スキンシップを学びます。
B統合・・・自分の役割を手放し、自己を分割しないこと、感情を持つこと、欲求をはっきり言う練習、悲観的思考や決めつけや思いこみをやめ、静かな心でいること、愛することができるようにします。
C繰り返しを絶つ・・・親から子へ、孫へと繰り返される連鎖を絶ちます。
この時点で私は娘の子育てをほぼ終えたような時期でした。
もっと早くこれらのことに気づいていればと後悔する気持ちもありましたが、この本を読みながら、娘に関して私は思ったよりも酷い子育てはしてこなかったように感じました。
心のどこかで連鎖を恐れる気持ちがあったのは事実です。連鎖について、簡単な知識だけはすでに以前から持っていたので、感情を知識と理屈で制御するようにしていました。娘と自分を、つねに自分と母に置き換える無意識の思考パターンが頭に出来ていて、自分が少しでも母に近い行いをすると頭の中で警告音が鳴るというように。そして、冷静になることに努め、母にされて嫌だった事は決して娘にはしないというかなり強い誓いのようなものが、大切な娘を少しは連鎖から遠ざけてくれたように思います。
本当にそうなのか、その答えは、娘の人生となって現れてくるという気の長い話ですから当分解りません。
けれど、今の時点で私が彼女に出来ることは、今の時点での精一杯を行動に移していくことだけです。そして彼女の力を信じることのみです。
後ろを見て嘆いていても、何も変わりません。