4.アダルト・チルドレンと家族 斎藤学著 (学陽文庫) 斎藤学氏は精神科医で、「アダルト・チルドレン」の概念の導入者です。 「家族機能研究所」の代表でもある著者は、アリス・ミラー同様患者達の中に自らの視点を据え、なおかつ医師として分析的なものの見方をしている人という印象があります。 冒頭でアダルトチルドレンの定義について著者が述べている内容を引用しておきます。 『アダルトチルドレン(AC)は元来、アメリカのアルコール依存症の臨床の中から生まれた言葉で、「アルコール依存症の問題を抱えた家族の中で成長した大人」(ACoA:AC of Alcoholics)を意味している。』 とし、特にこの著書の中ではもっと広範囲に『家族内トラウマの後遺症(PTSD:心的外傷ストレス性障害)に悩むもの』を指すとしています。 ここでたびたび繰り返される、機能不全家族という言葉とその解説から、私は自分自身の問題解決の糸口を必死で探し始めました。そして、斎藤学氏の著書を読みあさりました。私が、読んだ本を手元に置かない主義であることと、図書館で借りたものもかなりあるために、今家に残っているのはこの一冊のみです。 アダルトチルドレンを生み出す機能不全家族について、クリッツバーグというアメリカのセラピストがまとめた表を以下に引用します
繰り返しになりますが、この表のどちらに自分が入るのか・・・そういう見方は決してしないでください。 完璧に機能している家族も、何もかも機能しない家族も、両方とも存在しないでしょう。 完璧な人間はいません。つまり、完璧な親も家族もありえません。 家族と過ごした幸せな思い出、辛くて考えると息苦しくなるような記憶、どちらも一つの家族の中に共存している。 そういう例の方が実際には圧倒的に多いと私は感じます。 辛かったことは辛いと、堂々と自己表現出来れば、それで良いと思うのです。心の中に封じ込めないで。 |