6.自閉症だったわたしへ
  ドナ・ウィリアムズ著 / 河野万里子訳 (新潮文庫)

 この本の著者、ドナ・ウィリアムスもまた、キューブラー・ロスと、同じタイプの女性のような気がします。
彼女は、医者でも心理学者でもなく、自閉症患者です。
自閉症という病を持ち、それを抱えて子供時代、青春時代を過ごしてきた女性。
この本もドナの自伝ですが、自閉症患者が自らを語ったと言う意味でこの著作は医学的にも大変興味深いもののようです。
病気を抱えながらたった一人で戦い、自分自身の力で人生を切り開く。
やはり、そこには当然挫折があり、深い傷を受けても何度でも何度でも立ち上がる彼女が痛々しくさえなります。
けれど、それをものともせずにひたすら歩き続けていくこの人の無鉄砲なほどの前向きさは、臆病な私を励まし、叱咤激励してくれました。
自分で自分を救うということの意味を、まさに傷だらけの体験談で語ってくれた彼女もまた、私の人生を大きく変えた人の一人です。