7.精神科医はいらない  下田治美著 (角川書店)


 下田治美は、「愛を乞う人」の映画化でご存じの人も多いでしょう。
他に「やっと名医を捕まえた」という、著者の病気の体験と納得のいく主治医に巡り会うまでの壮絶な戦いの記録もお薦めの本です。
「精神科医はいらない」は、著者と、著者の精神科友達の闘病記録で、『現代日本の精神科医にプロはいない』・・・・という著者の持論から、いかに医者とつきあい、病気を克服するかを記したエッセイです。
「やっと名医を・・・」と同様、病気を治すのは患者自身なのだということを思い知らされます。
 ある程度自分の心を客観的に見ることの出来る知識を得て、その分事の難しさを痛感していた私は、一時、医者に頼るという方法や自助グループに存在に糸口を見つけようとしていました。
けれど、ここまで読んだ何冊もの著書によって、精神医学の現状や問題点も知りました。
その結果、まず、自分の力を信じてやってみようと心に決めました。
自分の頭で考えて、自分の仕入れた知識で、自分を救う努力をしてみよう、そしてもっともっと楽に生きたいと、切実に思うようになりました。
そんな時に出会った、仕上げとも言うべき本が次に紹介する「ほんとうの『私』のみつけかた」です。